2005 年 102 巻 10 号 p. 1333-1338
症例は48歳の女性.慢性膵炎にて経過観察中に左側胸水精査目的で入院した.MRCPで膵尾部に径1 cmの嚢胞を認め,左胸腔に連続する液体貯留(瘻孔)が描出された.ERCPで膵尾部の嚢胞から左胸腔への造影剤の漏出を確認した.経鼻膵管ドレナージ2週間,膵管ステント留置18週間の計20週間の内視鏡的膵管ドレナージにより治癒した.MRCPによる術前情報が,内視鏡的膵管ドレナージカテーテルの留置部位の決定やチューブ径の選択に有用であった.また,経乳頭的ドレナージ術は膵液瘻の有効な治療法であると考えられた.