2024 年 18 巻 p. 91-98
本研究の目的は,リメディアル学生を対象としたオンデマンド授業の実施方法に提案を行うことである。具体的には,リメディアル授業においてオンデマンド授業を実施し,学生の取り組みの現状から,学生の学びの個性を考慮した教育効果を高める取り組みを検討する。多様な授業形態が選択可能な時代において,リメディアル授業も,対面にとらわれることなく,新しい授業形態に移行することが予想される。本研究ではその新しい授業形態の一つとしてオンデマンド授業に注目した。13回のオンデマンド授業の実践で,学生はおおむね良好な学習姿勢で授業に取り組んだことが窺えた。しかし,一部の学生は課題提出が授業のゴールになっており,学習の振り返りを行わない傾向が見られた。また,課題を後回しにするなど自己管理ができない学生も少なくはなかった。このような取り組みの現状から,教育効果を高めるオンデマンド授業を実現するため,授業動画を視聴させる工夫など,実施方法について提案を行った。