近年,同じ大学・学部・学科の新入生間の基礎学力幅が増大している。本研究の目的は,学生間の英語熟達度格差の著しい大学で,英語授業のカリキュラムとシラバス作成をするための基礎調査として,英語熟達度上位群と下位群学生の実像を4つのアンケートを通じて把握することである。アンケートの結果,学生は授業外で積極的に学習をしないものの,英語熟達度の上下に関わらず,英語を上達させたいと考えていた。英語熟達度上位群は,相手を意識し,構成を考えながら英語で自己表現をしており、日本語で書く際にも記述量や具体性において,下位群と大きく異なっていた。こうした上位群の特徴を下位群が獲得できるようにカリキュラム・シラバス作成において工夫をする必要がある。