論文ID: 2023.03.30.01
本研究は,数学の学習支援におけるチュータリングのトレーニング方法とその評価指標の開発及び実践を通して,チューターのチュータリングスキルの育成を目的としたものである。最初にポリアの発見的方法の4段階モデルを参考に学習支援を行う際のチュータリングの型を考案した。次に,MSLCのチュータリングスキルについて定義した。MSLCにおける二つのトレーニングとチューターの自己評価及びチューティーのコメントから,チューターのチュータリングスキルの変化を考察した。一つ目のトレーニングは,問題解決的指導を基本としたチュータリングロールプレイとその評価である。二つ目は,チュータリングスキルを高めるための技法を学ぶチューターのプレゼンテーションによるトレーニングとその評価の実践である。チューターの自己評価から,チュータリングの型を基本としたチュータリングロールプレイや様々なスキルを磨くプレゼンテーションによるトレーニングが,チュータリングスキルの向上に繋がることが示唆された。