目的は病棟看護師の2型糖尿病患者への食事療法を中心とした生活志向的支援と支援に関する認識や学習体験との関係を明らかにすることである. 糖尿病教育入院をしている病棟の看護師251名を対象に自記式質問紙調査をし統計学的に分析を行った.
その結果, 糖尿病看護実践に自信がないと思うほど生活志向的支援をしていた (τ=0.202~0.341). また, 糖尿病看護に満足感を感じているほど, 生活志向的支援をしていた (τ=0.200~0.316). 更に事例検討, 患者がする食事療法を自らも体験したことのある看護師は, 生活志向的支援の中でも「生活満足を保つ支援」を実施している者が多かった (p=0.0001~0.048). 以上のことから, 患者の考え方や態度の変化を看護師が支援の効果として認識できるような他の看護師によるサポートや, 患者を "糖尿病をもちながら生活している人" と捉え, 患者個々に異なる「生活」を事例や体験を通して理解することの必要性が示唆された.