日本糖尿病教育・看護学会誌
Online ISSN : 2432-3713
Print ISSN : 1342-8497
研究報告
高血糖指摘後や診断後に1年以上受診をしていない時期を持つ2型糖尿病患者にとっての治療を続ける意味
米田 昭子林 直子
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2018 年 22 巻 2 号 p. 119-128

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抄録

糖尿病の治療継続の意味を明らかにすることを目的に,高血糖指摘後から受診までの期間や2型糖尿病診断後の通院の間隔が1年以上経過した経験を持つ人を対象にフォーカスグループインタビューを行い,Thematic content analysisの手法で分析した.その結果,6つの主要カテゴリーが抽出された.定期的な受診をしている時期にも,そうでない時期にも【常に在る糖尿病の解釈】があり,それは,【長い経過の中での身体感覚としての高血糖状態の体験】【糖尿病の“正しい”自己管理への期待に応えようとする取り組み】【人々との関係の維持】と影響し合い,【治療継続の支え】という意識のされ方に影響を及ぼし,【新たな意志の育み】をもたらしていた.診断や高血糖指摘後に一定の期間受診をしていない経験を有する人々は,複雑さを伴う糖尿病の療養において,自分なりの解釈をし続け,人との関係性の中で自己管理を全うしようとするがゆえに,患者自身が自分を追い込む道筋を作り自己管理をいったん“棚上げ”する状況がもたらされると推測された.看護において,受診をしていない時期も含めて患者の経験に関心を持ち,必要に応じて糖尿病の解釈を手伝うこと,患者が,その時々の状況に応じた糖尿病との付き合い方を検討できるように助けること,患者の自己管理の期待に応えようとする度合いを緩める働きかけをケアの枠組みに組み込むことの重要性が示唆された.

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© 2018 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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