日本糖尿病教育・看護学会誌
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原著
2型糖尿病患者における治療中断の予測因子としての治療満足度とセルフモニタリング力の関連性
増田 誠一郎
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2022 年 26 巻 1 号 p. 49-57

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抄録

本研究は,外来通院中の2型糖尿病患者における治療中断の予測因子である治療満足度とセルフモニタリング力の関連性を明らかにすることを目的とした.セルフモニタリング力を説明変数,基本属性と治療状況を交絡因子,石井ら(2000)の糖尿病治療満足度質問表:DTSQのスコアを目的変数として,ロジスティック回帰分析を行った. 対象者244名の平均年齢は65.9(SD,11.2)歳,男性60.2%,女性39.8%,平均HbA1c(NGSP)値7.62(SD,1.22)%.治療中断意思ありのカットオフ値とされるDTSQスコア22.5点を基準として2群化した,治療満足度低値群は34.4%,高値群は65.6%であった.多変量解析の結果,治療満足度の高値にはセルフモニタリング力が有意に関連していた(OR,1.14;95% CI,1.07―1.23).2型糖尿病患者の通院中断予防のために,治療満足度の維持・向上とセルフモニタリング力を支援することが重要である.

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© 2022 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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