2022 年 26 巻 1 号 p. 41-48
本研究の目的は,薬物療法を行う高齢2型糖尿病患者に対する自己管理支援に関する研究を概観し,支援内容を明らかにすることにより,2型糖尿病を有する高齢者が薬物療法を生活に取り入れ,継続的に実施するための支援における課題を検討することである.医中誌Web版(Ver.5)を用い,「2型糖尿病」,「薬物療法」と「自己管理」or「セルフマネジメント」or「セルフケア」を掛け合わせ,高齢者65歳以上を絞り込み条件として,2011年から2020年までに発表された原著論文を対象とし検索した.12論文を検討し,自己管理支援の内容として,【患者の認知・身体機能に応じて配慮する】,【患者の自律性を尊重する】,【継続的な支援体制を整備する】が明らかになった.今後,病棟-外来間の連携のみならず,在宅ケアチームと連携・協働しながら自己管理支援に携わっていくことが求められる.また,施設の枠を越えた連携体制の強化,療養支援に携わる専門職の育成,継続的な支援体制の整備が今後の課題である.