2024 年 28 巻 2 号 p. 85-91
2012年における佐賀県の新規人工透析導入患者の原疾患に占める糖尿病性腎症の割合は54.0%であった.糖尿病専門医は人口比においても少なく,糖尿病専門医の分布にも地域差があり,県内全域で充分な糖尿病医療が行える体制ではなかった.そこで,糖尿病療養指導士(地域・日本)を有する看護師に追加教育を行い佐賀県糖尿病コーディネート看護師としての資格を認定し,地域の医療水準の向上を目指した活動を展開した.地域の医療機関と糖尿病の基幹病院,行政,そして大学が協働した10年間の活動を通し,糖尿病性腎症からの新規人工透析導入患者は37.4%まで減少した.また,糖尿病コーディネート看護師が在籍する基幹病院の糖尿病患者支援体制の強化につながるなどの一定の成果を得た.そこで,糖尿病コーディネート看護師を活用した地域医療連携の具体的内容と活動実績,その成果を示し,今後の糖尿病看護についての示唆を得たため報告する.