2025 年 29 巻 2 号 p. 41-46
佐賀県では糖尿病支援体制の充実を図り,合併症の発症や重症化予防を目指して,佐賀県糖尿病コーディネート看護師(以下,CONsと略す)の育成および活動支援を実施した.本稿では,CONsの実践と意義を検討した.治療中断歴があり複雑な課題を抱える2型糖尿病患者に対し,CONsは保健師と連携して受診再開を促した.また,糖尿病基幹病院の糖尿病専門医や多職種と連携し,患者が糖尿病治療を受け入れられるよう看護実践を展開した.さらに,かかりつけ医療機関に逆紹介する際には,かかりつけ医療機関を訪問し医師,看護師と連携して支援した.CONsが訪問することで,かかりつけ医療機関看護師が糖尿病治療について知識を得る機会となり,患者は治療を継続できた.CONsの保健師および地域の医療機関との連携は患者の治療継続に有益である.この活動が拡大することで地域の糖尿病治療支援の水準の向上にも寄与することが示唆された.