日本糖尿病教育・看護学会誌
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妊娠糖尿病と診断を受けた女性の産後生活~出産後1年以内の女性へのインタビューから~
清水 浩美富岡 晶子谷本 真理子
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2025 年 29 巻 2 号 p. 47-54

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抄録

本研究は,糖尿病移行の確率が高い妊娠糖尿病(以下.GDMと略す)女性の産後生活を知ることが,糖尿病発症予防の支援を検討するうえで必要であると考え,出産後1年以内の変化の大きい時期における妊娠糖尿病と診断を受けた女性の産後生活を明らかにすることを目的に,9名に半構造化面接を行い質的帰納的に分析した.その結果,【厳しい食事制限から解放され食事量や間食が増えている】【血糖値を気にしながら自分なりの判断で食事をしている】【自分では生活をコントロールすることができないほど育児に追われている】【妊娠中の療養方法を活かして食事をしている】【家族が健康的に過ごせる生活の仕方を選んでいる】【妊娠糖尿病診断による孤独感や不安に一人で対処して過ごしている】【サポートがなければ自分のための時間を作ることができない】という生活が明らかとなった.女性たちはGDM診断時からの孤独感や不安に一人で対処し,育児に追われながらも,自身と家族の健康のために妊娠中の療養方法を取り入れて過ごしていた.GDM女性が療養経験を踏まえて精神的・身体的な健康を維持し,糖尿病を予防するために医療機関や地域の専門職が連携し,継続的に支援する必要性が示唆された.

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© 2025 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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