2021 年 29 巻 p. 35-47
米国アーキビスト協会(SAA)の2020年次大会は、シカゴでの開催が予定されていたところ、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響により、同年7月下旬~8月中旬の期間を中心に、各分科会等を含めて完全オンライン形態で開催された。本稿では筆者が参加できた限りにおいて、メインの会議および各分科会等で取り上げられた事例や課題につき、報告する。特に、(1)アート領域におけるアーカイブズ、(2)ボーン・デジタル情報保存、(3)Black Lives Matter(BLM)運動を受けての取り組み、に力点を置く。加えて、オンライン会議のあり方や、COVID-19の影響下における関連国際会議の動向などについても、私見を述べる。