抄録
本研究では、2008年岩手・宮城内陸地震の震源域において、地表地震断層を挟んだ臨時強震観測点を展開し、得られた余震記録とK-NET、KiK-netの強震記録を用いたスペクトルインバージョンにより、余震の震源特性と、伝播経路特性、震源域のサイト増幅特性を推定した。震源スペクトルから推定した余震の応力降下量は、おおよそ0.1~2 MPaの範囲に収まり、本震時のすべりの大きな領域で1 MPa程度、断層面の南北端で0.1~0.5 MPaと明瞭な空間分布が得られた。また、震源域のサイト増幅特性は、0.5~1 Hzでは本震の震源近傍の観測点で1~3倍程度、IWTH26より東南東側の観測点では0.8~2倍程度と推定された。一方、1~7 Hzでは、本震の震源近傍の観測点で3~8倍程度、東南東に離れた観測点では1~3倍となった。ただし、断層直上のHND0FFは他の観測点と異なったサイト増幅スペクトルを示し、0.5 Hzで約3倍、1~7 Hzで約1倍の増幅特性に加え、3 Hzで落ち込みが見られた。震源域から100 km以内の前弧域の伝播経路特性におけるQSの周波数依存性は、0.5~7 Hzの帯域でQS = 40ƒ 1.0とモデル化された。