2012 年 12 巻 4 号 p. 4_354-4_373
加速度応答スペクトルと群遅延時間の平均値・分散の経験式の改良を行ない、東北地方太平洋沖地震の長周期地震動シミュレーションを行った。経験式の主な改良点は、Mw2項を応答スペクトルの経験式に導入したこと、太平洋プレートとフィリピン海プレートの地震に対して、距離減衰特性と、関東平野の堆積層の厚い観測点での地盤増幅率・サイト係数の違いを考慮したことである。東北地方太平洋沖地震に対しては、強震動生成領域に基づき3つの巨視的断層からなる震源モデルを設定した。この3連動震源モデルと改良経験式により、東北地方太平洋沖地震の1~10秒の長周期地震動がほぼ再現できることを示した。