抄録
東北地方太平洋沖地震によって、東京湾岸エリアの広い範囲で液状化被害が発生した。特に浦安市は、市域の約85%を占める埋立地盤で液状化が発生した。筆者等は、地震直後から現地調査や住民の方々へのアンケート調査を実施し、アンケート調査結果と既往の土質調査結果を用いて浦安市内の液状化発生状況を整理した。また、模型実験を用いて表層の非液状化層の堆積厚さの違いによる噴水・噴砂現象への影響を調べた。調査結果より、本震直後に発生した余震によって噴水や噴砂の勢いが増加したことや液状化発生箇所と地下水位には関係があること、さらに噴水の発生時間には地下水位以浅の非液状化層厚が影響していたことが分かった。模型実験でも同様な傾向が確認された。