抄録
東北地方太平洋沖地震時に、関東、関西地域に建つ14棟の超高層集合住宅で得られた建物内の強震記録を用いて、当該建物の非線形挙動を含む動的特性を分析した。いずれも24階建て以上であり、多くがRC造の純フレーム構造である。平均層間変形角等は湾岸部に建つ建物で大きい傾向が見られた。関東地域に建つ建物では、本震時の初期状態から1次固有振動数が2~4割低下し、記録終了まで初期状態に戻らずに低下したままとなっていた。頂部変形角が大きくなるほど、1次固有振動数の低下率が大きくなった。これらを等価1自由度系の荷重-変形関係で見た場合にほぼ2折れ線の特性で表現できること、超高層集合住宅の周期変化は、耐震設計等で慣用されている枠組みで概ね説明できることを示した。