日本地震工学会論文集
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論文
2011年東北地方太平洋沖地震による地盤の再液状化
若松 加寿江
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2012 年 12 巻 5 号 p. 5_69-5_88

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抄録

本論文は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で確認された再液状化の事例を調査し、再液状化地点の分布を示すとともに、再液状化地点の微地形、土地履歴、地盤条件、地震動強さなどを明らかにしたものである。再液状化は、東京湾沿岸の埋立地、千葉県と茨城県の県境を流れる利根川下流沿岸の旧河道の埋立地、湖沼の干拓地、房総半島九十九里平野の砂鉄採掘跡地および宮城県の鳴瀬川・江合川・北上川沿岸など、合計85箇所で確認された。中には、今回で4回目の液状化事例もあった。再液状化地点の大部分は、人工造成地であったが、自然地盤での再液状化も見られた。さらに、東北地方太平洋沖地震の液状化の状況を、過去の液状化と比較した結果、液状化による変状や被害の程度は2011年の方が大きいが、被害の様相は2011年とそれ以前の地震では極めて類似していた。

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© 2012 日本地震工学会
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