抄録
鉄道構造物の地震被害事例をもとに、震度と被害率の関係を示す被害関数を構造種別ごとに作成する方法を検討した。鉄道構造物を「素地・低盛土」「盛土」「切土」「橋りょう」「トンネル」の5種類に分類し、それぞれの総延長及び位置座標を得る方法と、鉄道構造物被害データをもとに被害形態・被害程度を分類・整理する手順等を検討した。2004年新
潟県中越地震及び2007年新潟県中越沖地震を検討対象として、実際に各構造種別の震度別被害率を算出した。その結果、構造種別ごとに被害が発生する下限の震度や各震度での被害率が異なり、鉄道構造物の中では盛土が最も被害が発生しやすい構造種別であることを定量的に示した。