抄録
近接する地点間で観測された地震動指標の比から地盤増幅率を求め、地盤の平均S波速度と最大速度から求められる疑似有効ひずみとの関係を検討し、地盤の非線形挙動に伴う地盤増幅率の変化を抽出した。その結果、疑似有効ひずみが3×10 -4 を超えると地盤増幅率が低下しはじめ、特に周期0.15から0.2秒の帯域が大きく低下することを確認した。さらに、疑似有効ひずみをパラメータとして、地盤の非線形性による加速度応答スペクトル、最大加速度および最大速度の地盤増幅率の低下をモデル化した。この結果が既往の非線形性のモデルと整合的であることを示した。