抄録
茨城県の利根川下流域では、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震とその余震で広域な液状化が発生した。本研究では、先行研究において液状化によって管路被害が集中して発生した地域を対象に、地震発生後の航空写真から噴砂痕が見られた範囲を特定し、噴砂域にある上水道・下水道管路の被害発生状況と被害位置との空間的関係について明らかにすることを試みた。その結果、噴砂域にある水道管路被害率は、管路被害集中地域のそれよりも約10倍高くなった。また、噴砂域にある管路延長が長くなるにつれ、上下水道管路の被害の発生率は高くなり、水道管路被害位置は噴砂域の中央から噴砂域の境界に移動することがわかった。また下水道管路においては、連続した2区間で被害がある場合は、中央の人孔周辺で噴砂が発生することが多いことが確認できた。