抄録
本論文では、地盤との動的相互作用の影響が大きい免震構造の上下応答に関し、上部構造の梁スパン長さの差異が振動特性に与える影響を検討した。梁スパン長さとして5ケースを想定したモデルを設定し、その変化が上部構造およびアイソレータの応答に与える影響を把握した。スパンが長いほど、梁振動が上下応答に与える影響は大きく、アイソレータの軸力を増大させる傾向を示した。最後に、各ケースに対し、相互作用の影響を基礎固定モデルで等価に評価する簡易評価法を適用した。梁振動が顕著となる場合は、鉛直部材のみに等価減衰を付与する基礎固定モデルで、相互作用による応答低減を再現可能であった。