抄録
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及び同年4月11日に発生した誘発地震により福島県いわき市では二度の断水が発生した。一ヵ月の短期間にメカニズムの異なる地震が発生することは稀である。本研究では、これらの地震で断水が発生したいわき市に着目し、水道管路の地震被害分析に基づいて管路脆弱性を明らかにすることを試みた。管種、口径、微地形分類による被害発生の要因を分析した結果、地震に限らず口径は既往の管路被害特性と類似していたが、塩化ビニル管は被害が少なくなる結果が示された。また、地震動評価によって、微地形の係数を考慮しない方がよい場合もあることが示された。