2017 年 17 巻 1 号 p. 1_16-1_29
大地震の被害をリアルタイムに推定し, 状況を把握するためのシステム開発が進められている.このシステムでは, 発災直後に強震観測記録から各地の地震動分布を推定し, 被害関数を用いて建物被害棟数を推定する.しかし, 被害関数は過去の地震被害の統計モデルであり, 個々の地震被害を精度よく推定できるとは限らない.本報では, ベイズ更新を応用して, 先行的に得られた一部地域の被害棟数情報を反映して, 被害関数のパラメタを更新することで精度の向上を図る手法を提案した.