日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
1988年から2016年までに観測された強震記録から分離したサイト特性に関する研究
仲野 健一川瀬 博松島 信一
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2019 年 19 巻 2 号 p. 2_1-2_24

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抄録

地震動は震源,伝播,サイト特性の3つの特性で表現される.Andrews(1982)によって提案されたスペクトルインバージョン法(GIT)は,これらの特性を評価する強力なツールである.本研究では,まず1988年から2016年までにK-NET,KiK-net,JMA,CEORKAで観測された強震記録を収集しデータセットを構築した.そして,同データセットにGITを適用し,推定された特性が解として安定していること,およびS波部を対象として評価した震源特性とサイト特性が理論モデルと整合することを確認した.さらに,S波部を含む全継続時間を考慮したサイト特性はAVS10,AVS30,Tz(基盤までの伝播時間)等と相関性を有することがわかった.また,同サイト特性により関東および近畿地方の堆積盆地における卓越周期を把握できることがわかった.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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