日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
観測記録とアンケート調査に基づく超高層集合住宅における長周期地震動階級の適用性に関する基礎検討
日野浦 雄高永野 正行田沼 毅彦小田 聡
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2019 年 19 巻 5 号 p. 5_2-5_11

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抄録

高層ビル内における人間の体感・行動や室内被害の評価指標として,絶対速度応答スペクトルに基づく長周期地震動階級が気象庁より公開されている.しかしながら,当該建物の被害状況に対する適用性の確認が不可欠である.本稿では,絶対速度応答スペクトルを用いた長周期地震動階級の現行評価手法と併せ,1次刺激関数の形状を利用した高さ方向の応答補正,1次固有周期を用いた応答推定について検討した.関東・関西圏に位置する超高層集合住宅13棟で得られた2011年東北地方太平洋沖地震時の建物観測記録を用い,1次刺激関数と1次固有周期に着目した手法が現行手法よりもばらつきが少なく,階級一致率が高い結果を示した.また,アンケート調査に基づく被害評価値と建物応答の関係式より,実被害状況と長周期地震動階級の関係性を得た.

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© 2019 公益社団法人 日本地震工学会
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