福井地震で被害を受けた九頭竜川堤防を対象とし,常時微動観測に基づいて堤防の振動特性と地下構造を推定した結果を検討している.土質情報と比較できる11地点では測線展開アレイ観測を実施し,伝達関数を求めるとともに拡張SPAC法を適用しRayleigh波位相速度を算出した.47地点の単点3成分観測ではH/Vスペクトルを算出し,堤体と基礎地盤の卓越周期を判読した.さらにH/Vスペクトルをターゲットとする逆解析により,堤体と基礎地盤の構造推定を行い,その妥当性を検証するとともに福井地震の被害との相関を検討した.