2019 年 19 巻 5 号 p. 5_59-5_76
2016年熊本地震では,地表地震断層から2km程度に位置する益城町中心部において多くの建物被害が確認された.一方,益城町中心部から東に約3km離れた益城町下陳では,地表地震断層直上に位置するものの倒壊した住宅はなく,建物被害の性状は地点によって異なる.本報では,理論的手法に基づく地震動評価を行い,地表地震断層と評価地点の位置関係の違いが益城町中心部と下陳の地震動特性に与える影響を明らかにした.また,益城町中心部と下陳において推定した地震動と建物被害の関係が定性的に対応することを示した.