日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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2018年北海道胆振東部地震における強震観測点周辺の状況と発生した地震動との対応性
中澤 駿佑境 有紀汐満 将史三木 彩加新井 蒼太
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2019 年 19 巻 7 号 p. 7_67-7_104

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抄録

2018年に発生した北海道胆振東部地震を対象として,震度6弱以上を観測した強震観測点周辺の被害調査を行った.その結果,震度6強を観測したK-NET鵡川周辺で木造全壊率6.3%の被害が生じていたが,その他の観測点周辺では全壊・大破といった大きな被害を受けた建物は見られなかった.観測された強震記録の性質を分析した結果,K-NET鵡川では建物の大きな被害と相関のある周期1-1.5秒の応答が大きく,このことが木造建物に全壊といった大きな被害を引き起こしたと考えられる.その他の強震記録では,1秒以下の短周期が卓越した一方で周期1-1.5秒の応答は小さく,このことが大きな震度を観測したにも関わらず,建物に全壊・大破といった大きな被害が生じなかった原因と考えられる.

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