2020 年 20 巻 1 号 p. 1_209-1_225
下水道施設の設計では,土木・建築の複合構造物の土木構造部は2次元フレームでモデル化し,震度法を用いて耐震性能を評価している.しかし,土木構造部は地盤と接しているため,今後,このような地下構造の耐震性能評価の合理化を図るためには,地震時の地盤変位が構造物に与える影響を検討していく必要がある.地盤と構造物の地震時挙動を精度良く再現する手法の一つに,動的相互作用を考慮した非線形有限要素解析による評価がある.本研究では,動的相互作用を考慮した非線形有限要素解析による評価と,従来の震度法による評価の違いを明らかにし,下水道施設複合構造物の合理的な耐震性能評価手法を提案した.