2020 年 20 巻 3 号 p. 3_96-3_115
国土交通省は,2017年4月以降に対象地域内に超高層建築物等を大臣認定により新築する場合,構造安全性等の確認を事実上義務付けた.長周期地震動の評価には改良経験式を用いた波形作成手法(大川ら,2013)が採用されている.同手法では断層最短距離やサイト係数が支配的なパラメータであるが,明確な適用範囲は示されていない.本稿では,連動型地震のセグメント合成手法や断層最短距離やサイト係数の設定が計算波の振幅特性および位相特性に及ぼす定性的な影響について,観測波との比較や計算波同士の比較を通じて検証し,改良経験式手法を用いた設計用入力地震動策定における適用範囲及び留意点について考察した.