日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
地形・地盤分類に基づく地震動のスペクトル増幅率の推定
先名 重樹翠川 三郎
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2009 年 9 巻 4 号 p. 4_11-4_25

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抄録

日本全国に適用できるスペクトル増幅率の簡便な推定方法の提案を目的として、先名・他(2008)のスペクトル増幅率を推定する関係式を使い、微地形区分が判明している地点の常時微動観測記録を用いて各微地形区分での平均スペクトル増幅率を計算した。さらに、スペクトル増幅率に比較的大きなバラツキがみられるものに対しては、河川からの距離や山地・台地系微地形区分等からの最短距離を考慮して微地形区分の細区分を行い、平均スペクトル増幅率を求め、その形状をモデル化した。作成されたモデルを用い、2007年新潟中越沖地震を対象として、各観測地点の微地形区分に対応するスペクトル増幅率モデルを、Kanno et al.(2006)の距離減衰式から推定した工学的基盤相当での応答スペクトルに乗じることにより、地表における応答スペクトルを推定した。推定された応答スペクトルは、多くの地点で観測記録との対応が良く、本手法が、日本全国任意地点の応答スペクトルを簡易に推定するための有効な手法であることが確認された。

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© 2009 一般社団法人 日本地震工学会
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