本稿では,大分県竹田市の事例をもとに,人口減少・高齢化等により縮小していく地方小都市における中心市街地の活性化策に着目し,分析した.人口約22,000人の竹田市は,人口の減少・高齢化の進展により,働き手の確保や公共施設の維持など,地域の存続に関わる重要な課題を抱えている.街中の主要道路は,60年以上も前に幅員の拡幅が計画されていたが,実現しなかった.この間,街の関係者は,イベントの創出などにより懸命に活性化を図ってきたが,衰退の一途であった.近年,道路拡幅の計画を見直し,敢えて車道幅を狭め,町割りを残すこととした.ここから,「城下町再生」をキーワードにして,中心市街地活性化に本格的に着手した.筆者は,副市長,まちづくり会社社長として,活性化に関わっている.従来の一般的な中心市街地活性化策は,大規模投資などを伴う再開発指向であったが,竹田市では,規模や機能の拡大を求めず,あえてダウンサイジング指向で進めている.この施策を選択した状況,今後の目標,成果への期待などについて言及した.