サービス立地の問題を検討するにあたって「時間」の考慮は不可欠である.サービスの「貯蔵も輸送もできない」という性格は,その消費にあたって,時間地理学的な制約からくる「地理的限界」をもたらす.こうした時間地理学的視座が,「時間」考慮の必然性をまず根拠付けている.さらに,この「地理的限界」が,サービス立地の説明に際して,「時間」的経過を考慮した動態的視野を要請することになる.「均質空間」を前提にしたサービス立地の説明は早々に行き詰まらずをえないため,中心地への居住地移動といった動態を考えなければならないからである.それによっても生ずる人口の集中・集積によって,サービスの集積,専門化・高度化・多様化が進む.また,そもそもサービスが「外部化」し,消費の対象となるのは,所得水準の上昇がみられ,それにともなって「質の高い」サービスが希求されるようになるからであった.そのため「質の高い」サービスが立地している人口集積地(大都市) は,これを求める人々を引き寄せることで累積的な拡大過程に入ると考えられる.さらに所得の増大にともなう時間価値の上昇,したがってまた機会費用の上昇,交通の発達もあって,サービスと人口集積との累積的循環的因果関は一段と加速化される.こうした「大都市の優位性」も,動態的な視野を持たなければ理解できない.ここにも「時間」の考慮が求められている理由がある.