利根川の基本高水流量は,計算モデルのパラメータを恣意的に操作することで実際よりも1.5倍に引き伸ばすことが可能であることが明らかになった.基本高水流量に基づいてダム計画が定まるのではなく,ダム計画の有無に合わせて基本高水流量を操作することが可能なのだ.本稿ではダム計画における以下の2つの瑕疵を論じる.①国交省は,森林が劣化していた1950年代の洪水を基準に基本高水流量を定め,その後の森林回復による洪水流量低下の事実を隠蔽している. ②新しい地質年代の火山岩層等では,300mmを超える豪雨でも河川への流出率が100%になることはないにもかかわらず,国交省はそれを100%と仮定して基本高水流量を引き上げている.