地域生活圏の構築は,地方圏の住民が直面している生活上の困難という現実に即した重要な課題である.この現実は,財・サービスの供給側からみると到達範囲の下限が上限を上回って供給活動が困難になる状況である.需要側からみると,所得機会,消費機会,共同生活機会にアクセスし生活の空間的組織化を行うことが困難になっている状況である.本稿では,地域生活圏の理念と現実について,場所,領域,スケール,ネットワークという4つの次元から批判的に検討し,地域生活圏の理念と現実の間にみられる齟齬の解消に向けて国民的な議論が必要であることを指摘した.