人口減少と低成長が常態化する縮小社会において,戦後日本の地域開発を支えてきた産業立地政策をどう捉え直すかを論じる.産業立地政策と地域政策は,かつて国土計画のもとで一体的に構想されてきたが,国土形成計画への移行と内発的発展論の浸透のなかで両者は乖離した.本稿はこの乖離を歴史的に整理したうえで,ラピダスに代表される国家戦略型の半導体投資を分工場経済の視点から検討し,さらに地域資源を再定義する動きを取り上げる.縮小社会の産業立地政策は「どこに工場を置くか」ではなく「いかなる地域能力を育てるか」を問う,人を中核とする総合的・産業横断的な政策へ再定位されることが望ましいことを主張する.