抄録
本研究は,熟練保育者の自らの「子ども理解」の変化についての語りから,変化の契機やその特徴を明らかにすることを目的とする。具体的には,これまでの実践で「子ども理解」に変化があった出来事について,半構造化インタビューを実施し,そこで得た言語データを SCAT(Step for Cording and Theorization)を用いて分析し,最終的に 22 の理論記述を導き出した。そこから熟練保育者の「子ども理解」に変化をもたらす契機の特徴を探るため,全ての理論記述を類似の項目に分類し体系化を試みた。その結果,熟練保育者における「子ども理解」に変化をもたらす契機として①対象となる子どもの姿,②異なる立場の経験,③園全体での課題共有,④熟練保育者の存在,⑤養成校時代の経験の 5点に集約された。