教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 山口 真美
    2021 年 24 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,保護者への共感的な教師の認識を成立させる要素を,情緒的地形の概念を援用して明らかにすることにある。保護者とどのような関係性を結ぶかは学校現場において重要な課題のひとつであるが,先行研究では教師は異なる社会経済的背景を持つ保護者に対して特に共感的な姿勢を示しづらいと言われてきた。しかし,対象校においては,学校の置かれた校区背景は厳しいにも関わらずそのような保護者に対しても共感的である語りが大勢を占めていた。ここに注目し,教師の保護者に対する共感的な理解を構成する要素についてインタビュー調査から検討した。その結果を「教師によるこまめで直接的なコミュニケーション」「形式的でないかかわり」「協力を依頼する際の目的の一致の確認」「教師の指導的立場の自覚とそれを緩和する配慮」として整理し,各学校で培われている実践が校区の社会経済的背景という所与の条件を乗り越えうることを示唆した。
  • 星 裕
    2021 年 24 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,教育実習後の学生を対象としたALACT モデルに基づく授業科目「教職実践研究」を構想し,その実践を通した学生への影響を明らかにすることを目的とした。そのため,「教職実践研究」を履修した学生3 名を対象とし,学生が課題に関して追究した内容を整理したレポートの記述と質問紙調査への自由記述を追究内容と追究方法に分類整理し,それらから構想した授業計画の実践を通した学生への影響を検討した。その結果,学生への影響として以下の 2 点が示された。1 点目は,学生がそれぞれの課題に即した追究方法を選択できたことである。2点目は,学生が学習経験を課題の追究方法と関連させたことである。一方,今後の課題として以下の 2 点が示唆された。1 点目は,研究の対象を拡大し,検討を重ねていく必要性である。2点目は,本研究で構想した授業計画が,今後の学生の成長にどのような影響を与えたのか検証することである
  • 芦田 祐佳
    2021 年 24 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,小学校教師が情動的支援において必要だと考える教師の資質・能力について,教職年数と低学年の担当回数による差異を検討した。小学校教師を対象とする質問紙調査によって,児童がネガティブな情動を表出したときに教師に求められる行動や態度をたずね,教職年数・低学年担当回数との関連を検討した。その結果,低学年の担当回数が多い群では,児童個人の情動に寄り添えることを教師に必要な資質・能力として認識していることが明らかになった。また,低学年の担当回数が少ない群では,学級集団に関連づけて支援できることを教師の資質・能力として捉えていることが示された。さらに,若手群は特定の支援ができるかどうかという観点から,熟練群はその支援の方向性を判断できるかどうかという観点から,教師の資質・能力を捉えていた。中堅群は固有の特徴に乏しく,各群の教師が意識している資質・能力を幅広く認識している可能性が示唆された。
  • 神原 裕子, 阿部 藤子, 澤本 和子
    2021 年 24 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/11
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国の看護系大学の増加に伴い,教員不足および教員の質の低下が指摘されている。これらの課題に関する従来の研究では,個々の教員が抱える個別具体的な授業課題を取り上げたものは少ない。本研究は,看護系大学教員の授業リフレクション研究により,授業の実態に即した課題を具体的に検討し,授業の改善に資する課題を提起する意図を持つ。 看護大学 2 年生を対象とした授業事例の「対話リフレクション」のプロトコルから,「学習内容と学生の興味,理解とのギャップ」,「専門知識の理解を促す説明方法の工夫の必要性」,「学生の反応を予測し授業を構成する必要性」,「学生の立場を尊重する関わり」,「看護の実践家としての信念と教えることとのギャップ」の5つのカテゴリーが抽出された。これらのカテゴリーは,看護教員が認識する授業の実態とともに,看護の専門的な知識と学生の興味,関心,理解をつなぐ授業デザインにおける課題を示している,と考察した。
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