抄録
本研究の目的は,児童の情動面への支援に関する教師の判断が,教師効力感とターゲットスキルによってどのように異なるのかを明らかにすることであった。現職の小学校教師 344 名に対して,仮想場面を用いた質問紙調査を行った。現在の担当学年を想定した仮想場面における判断を自由記述式で求めたところ,「情動焦点型」「学習焦点型」「関係焦点型」の3 つの判断が抽出された。この判断型に対する教師効力感,ターゲットスキル,担当学年の影響を検討したところ,担当学年が上がるほど「情動焦点型」よりも「関係焦点型」の判断を行う可能性が高まることが示された。またターゲットスキルによる有意差も確認され,教師が児童の社会的スキルの育成を重視するほど「学習焦点型」よりも「情動焦点型」「関係焦点型」の判断を行いやすいこと,児童の学業的スキルの育成を重視するほど「情動焦点型」よりも「学習焦点型」の判断を行う可能性が高まることが示された。