教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
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授業リフレクション研究による教員経験3 年目の看護教員の授業認識の変容
神原 裕子阿部 藤子澤本 和子
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2021 年 24 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
わが国の看護系大学の増加に伴い,教員不足および教員の質の低下が指摘されている。これらの課題に関する従来の研究では,個々の教員が抱える個別具体的な授業課題を取り上げたものは少ない。本研究は,看護系大学教員の授業リフレクション研究により,授業の実態に即した課題を具体的に検討し,授業の改善に資する課題を提起する意図を持つ。 看護大学 2 年生を対象とした授業事例の「対話リフレクション」のプロトコルから,「学習内容と学生の興味,理解とのギャップ」,「専門知識の理解を促す説明方法の工夫の必要性」,「学生の反応を予測し授業を構成する必要性」,「学生の立場を尊重する関わり」,「看護の実践家としての信念と教えることとのギャップ」の5つのカテゴリーが抽出された。これらのカテゴリーは,看護教員が認識する授業の実態とともに,看護の専門的な知識と学生の興味,関心,理解をつなぐ授業デザインにおける課題を示している,と考察した。
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© 2021 日本教師学学会
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