日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集
蘇生拒否の指示
新井 達潤
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 5 号 p. 669-672

詳細
抄録
DNRは尊厳死と,無益な医療の回避という二重の意義を持つ。尊厳死・安楽死の観点からみると,最も人為的介入が少ない方法と考えられる。DNRの本来の意義からは,DNR指示が出されていても心肺停止に至るまでの医療の質に変化があってはならない。しかし,濃厚な治療が続けられ終末期が遷延した場合は,DNRの目的である尊厳死および無益な治療の回避が達成されなくなる。したがって DNRを事前に話し合うときDNRのみならず個々の生命維持治療法の中止,軽減等についても包括的に話し合っておく必要がある。
著者関連情報
© 2008 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top