日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:腹部救急領域における栄養管理
経腸栄養ルート選択の可能性
鷲澤 尚宏大嶋 陽幸名波 竜規渡邊 正志金子 弘真
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 7 号 p. 923-927

詳細
抄録

重症患者においては,腸管が機能していれば経腸栄養を行うことが推奨されている。一般的に静脈栄養法が行われることが多いのは,経管栄養ルートの設定が困難であることが理由である。腹部救急領域での経腸栄養ルートの選択には障害部位によって体内への入口,カテーテルの腸管壁貫通部位,カテーテル先端の位置が決定され,病状によってこれらの設置時期が決定されることで,経管栄養法がすすめられる。腹部救急患者においても経腸栄養法の可能性を追求し,安易に選択される静脈栄養法を再考することで,さらなる予後の改善が期待できる。また,これらの決定遂行には栄養サポートチームなどのチーム医療の貢献が期待される。

著者関連情報
© 2008 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top