2008 年 28 巻 7 号 p. 933-937
2002年4月から全学的にNST活動を開始した。5年間の介入症例は498例,件数は延べ2,550回である。腹部救急疾患は38症例に対し延べ339回行われた。内訳は,消化管穿孔6例,縫合不全5例,腹部外傷2例,大動脈瘤破裂4例,短腸症候群5例,重症急性膵炎例4例,出血性腸炎2例,虚血性腸炎1例,偽膜性腸炎5例,急性肝炎5例であった。循環不全症例や敗血症ではまずは中心静脈栄養が行われた。積極的にインスリンを用い,血糖を150mg/dL以下を目標にコントロールした。腸管が使える場合は早期経腸栄養を採用した。2週間以上経口摂取がされていなかった場合, GFOを投与した。腎不全であっても透析を行った上で10%増しのアミノ酸を投与した。呼吸不全,重症感染症時には,n3系脂肪酸,抗酸化剤を多く配合しアルギニンを減量した抗炎症性機能性製剤を使用した。EN時の下痢においては,検尿テステープによる潜血と蛋白検査,便中のCD 毒素の検出が有用であった。いずれの症例も軽快退院し得た。