2009 年 29 巻 3 号 p. 477-480
当施設における急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術成績をガイドライン刊行前後で比較検討した。前期はPTGBDが多数例に施行され比較的早期の待機手術が中心であったが,後期には症状緩和目的にPTGBAを施行し早期に手術を施行した。historicalなdataではあるが,開腹移行率は有意に減少し,術後合併症は減少傾向を認めた。手術時間,術後在院期間は変わらず,胆管損傷等の重篤な合併症は全期間を通して認められなかった。急性胆嚢炎に対しては,習熟した内視鏡外科医チームの元で,超音波凝固切開装置を多用しcritical view exposure techniqueを尊重したうえで,ガイドラインに従った早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましいと思われた。