2010 年 30 巻 3 号 p. 477-480
症例は72歳の女性。突然の嘔吐,腹痛を主訴に当院を受診した。20年前に胆嚢結石を指摘された既往がある。腹部単純線X線撮影で小腸ガスの貯留と,腹部computed tomography(CT)で小腸内の結石と胆道内ガス像を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部前壁に瘻孔を認め,胆嚢十二指腸瘻,胆石イレウスと診断した。結石の自然排石を期待し保存的治療を行ったが,腹痛増強を認めた。手術適応と判断し,翌日に腹腔鏡補助下に小腸内の結石を摘出した。