抄録
Damage controlの概念確立とabdominal compartment syndromeの病態把握は腹部救急疾患の治療を大きく変えたが,open abdominal management(OAM)という問題が生じている。Vacuum pack closure(VPC)を用いた一時閉腹と早期閉腹不能例に対する腹直筋鞘前葉反転による腹壁再建を急性期に適応し,その効果を検討した。対象:OAM施行54例(外傷21例,非外傷33例)。結果:平均OAM期間は13.9日,外傷12例,非外傷15例を救命し,fistula,abscessは1例もなかった。VPC導入により,定型的閉腹施行例における初回手術から閉腹までの期間延長が得られた。長期OAMにて定型的閉腹不能11例に対して腹直筋鞘前葉反転法を施行し,4例で創感染を合併したが腹壁ヘルニアの合併はない。結語:VPCの使用,早期腹壁再建によりOAMによる合併症を防ぎ,腹壁再建の頻度を減少しうる。