抄録
重症腹部外傷手術でのダメージコントロールは広く知られているが,この概念は決して外傷症例に限定した考え方ではなく急性腹症手術にも適応可能である。この際の一時的閉腹法として当センターではVacuum packing closur法(以下,VPC法)を積極的に実施してきた。急性腹症症例にVPC法を行ったものは23例であった。各症例の平均APACHE-II値は32.3と高値であり,それぞれの当該手術後にVPC法が施行された。術後の経過の中で,腹部コンパートメント症候群を発症したものはなかった。合併症として23例中1例に吸引圧による小腸損傷を認めたが,ほか重篤な合併症はみられなかった。重症急性腹症手術時の一期的閉腹が困難な症例やsecond look手術が必要な症例において,VPC法は外傷手術時と同様に使用可能な有用なオプションであると考えられる。