日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
会陰ヘルニアも考えられた後天性骨盤内ヘルニアの1男児例
藤井 喜充
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2010 年 30 巻 7 号 p. 925-929

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抄録
症例は9歳の男児。1歳時に腹腔鏡補助下左精巣固定術の既往がある。腹痛と嘔吐にて発症し,造影CT検査にて右傍臍部に拡張しループ状となった造影効果を認める小腸と,右傍直腸窩に嵌入し造影効果を認めない小腸が確認された。臨床症状消失とともに右傍直腸窩の小腸内腔容積は縮小した。会陰ヘルニアの術前診断で,腹腔鏡手術が施行された。S状結腸および大網と前腹壁の癒着により,直腸右側は右傍直腸窩と連続する嚢状形態となっていたので,剥離によりこのヘルニア嚢を開放した。同部に骨盤底筋群の異常は認めなかったため,術後診断は後天性骨盤内ヘルニアとした。会陰ヘルニアは骨盤底筋群の欠損や開大に腹膜が陥入した有嚢性ヘルニアであると定義されており,本症例は合致しない。S状結腸および大網と前腹壁の精巣固定術後の癒着のため,直腸右側が嚢状となり,右傍直腸窩に小腸が陥入し易い形態となったため,発症したものと推察した。
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© 2010 日本腹部救急医学会
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