抄録
急性胆道炎に関する唯一のガイドラインである「科学的根拠に基づいた急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン」発刊から5年以上が経過し,統一された基準が広く認知され普及してきている。従来から急性胆道炎の抗菌薬療法については,日本はもとより欧米においても明確なエビデンスは乏しかったが,現在までに集積されたデータからさまざまな点につき検証が行われている。実際の臨床の場においても,ガイドライン使用の際に抗菌薬療法におけるさまざまな問題点が指摘されている。ガイドラインは,その評価に基づき効果判定を行い,さらなる改訂を行っていくことが重要である。本稿では,現行の日本版と国際版ガイドラインの差異を示し,ガイドライン改訂に向け急性胆道炎の抗菌薬療法において最も問題となる「病態ごとの具体的な抗菌薬の選択や投与方法」について,急性胆管炎・胆嚢炎それぞれにつき日本の医療背景に合わせた提言を行った。