抄録
急性膵炎の診療ガイドラインについての報告を検索し,それらから得られた情報より診療内容の変遷を検討したところ,以下のごとくであった。(1)診断基準については,厚生省(当時)特定疾患難治性膵疾患調査研究班により変更提案した急性膵炎臨床診断基準が2008年に確定し,第3版ではこれを採用した。血液・尿検査では当初,血中膵酵素としてアミラーゼを推奨したが,改訂とともにリパーゼを第一に推奨するに至った。(2)重症度診断については,従来法では,臨床徴候(5項目),血液検査成績(10項目),CTグレード,全身性炎症反応症候群(SIRS),年齢の18項目からなっていたが,大きく簡略化された。すなわち,9因子による予後因子とともに,造影CTによる重症例の診断(CTグレード分類)を採用するとともに,重症度を3分類から「軽症」と「重症」の2分類に変更した。(3)搬送基準については,第1,2版でのスコア2点以上から,第3版ではスコア基準が改定された。搬送施設については「重症急性膵炎に対応可能な施設」となった。